日本の夏の風物詩は地域ごとで開催される「花火大会」というイベントである。
7月~8月の週末を中心に開催されることが多く、海岸や大きな河川を打ち上げ場所として開催されることが多い。
子供たちの夏休みの一大イベントでもあり、恋人たちが最も夏を感じ距離を縮める夜でもあり、おじいさんやおばあさんにとっての平和と安らぎの一時でもある。
子供たちは露店で食べ物を買うために小銭に握りしめ、恋人たちは浴衣を設え下駄や草履を履き、それぞれの夏を楽しむのである。
私は花火大会には3つの楽しみ方があると思っている。
1つ目は夜空に広がる花火のダイナミックな様相、そしてほんの数秒で真っ暗な夜空へ戻るというはかなさ、これをじっくり鑑賞することである。
2つ目は、花火が広がる時に響く音である。「ドーン」と心臓に響くような音が夜空の彩りとともに体に伝わり、花火が大きなものであることを感じることである。
そして3つ目は、感傷に浸ることである。花火大会は夏の一大イベントであると同時に、夏の終わりの近づきを告げるものでもある。
夜空に広がる美しい花火を鑑賞しながら、夏の思い出を振り返る。
子供たちも、恋人たちも、家族も、花火を鑑賞しながら、それぞれの夏を思い返し、今年もまた夏が終わっていくという思いに浸る。この時間を楽しむことである。
あなたが夏に日本を訪れたなら、まずは近くで花火大会が開催されていないか調べてほしい。
そして花火大会を鑑賞できる機会があれば、その時だけはあなたの送ってきた毎日を思い返しながら夜空を見上げてほしい。