初詣は、新しい年を迎え、初めて神社や寺院に新年の無事と平安を祈願する行事である。深夜0時。除夜の鐘が最後の音を響かせると、新しい年を迎えた喜びと厳かな雰囲気に包まれ、深夜にもかかわらず多くの参拝者が列をなす。
参拝には礼儀作法がある。まずは「手水舎」で身を清めるところからだ。木の柄杓を右手にもち、水をすくい左手を清める。次に左手に持ちかえ、水をすくい右手を清める。さらに右手に持ち替えて左手に水を注ぎ、顔前まで持ち上げて口の中を清める。
参拝の仕方は、神社と寺院で異なる。神社は、お賽銭箱にお賽銭を静かに入れ、鈴を鳴らしてから二礼二拍手のあと、祈り、最後に一礼。神社での一般的な参拝作法として知られているが、「二礼四拍手一礼」など参拝する神社により異なるため事前に調べる必要がある。寺院は、お賽銭のあと、鰐口があれば鳴らし、手を叩かず胸の前で合掌。祈ったあと、一礼。祈願したことを胸に一年をスタートするのだ。
しかし、この清らかな参拝に邪念が入ることがある。祈願する内容、賽銭の金額。正月だから札を出すべきか、いやいや、金額は関係ないと振り切る自分。参拝はお願い事をする場ではないのだが、ついつい、長くあれやこれや言いたくなるのだ。ともあれ、年の始まりを新たな気持ちでスタートするためには初詣はよい機会である。