川が流れる地域によく見られる「川床」。
なかでも京都は川床の歴史や文化が今でも根付いている。
5月ごろから10月ごろまで、京都の鴨川、貴船、高雄などで楽しむことができる。

京都市内は盆地で、夏はとにかく蒸し暑い。
ひとときの涼をもとめて、川べりに座敷を設置してゆったりと過ごすのだ。
そこでは、京野菜や鮎などの料理を楽しむことができる。
あの、うだるような暑さを少しでも忘れるため、涼しさを求めて川べりで宴を行うのだ。
それはエアコンがなかった時代の人たちが考えた知恵である。

鴨川にずらりと並ぶ川床を見ると、暑い夏の到来を感じる。
夜の川床も素晴らしい。
ライトアップされた川を見ながら、宴を楽しむのも良いだろう。
水面に揺れるオレンジ色の光がとても綺麗だ。

また、山間にある貴船や高雄は、京都市内よりぐっと涼しくなる。
手が届くほど水面に近いところに座敷があり、川のせせらぎや山の緑をダイレクトに感じることができる。
自然に癒されながらゆったりと過ごす川床は、京都市内とはまた違った雰囲気を味わえる。

ぜひ、旅行者にも訪れていただきたい。
観光地を歩き回ったあと、旅の疲れを癒すひとときになるだろう。