日本人の子供の夏休みの思い出といえばラジオ体操があげられる。
今ではやらない地域も出てきているが、私が小学生の頃は夏休みの間、毎朝6時に眠い目を擦りながら近所の子供達が近くの公園に集まりラジオから流れる音楽に合わせて5分程度の早朝体操を行なっていた。
簡単な体操と想像したあなた、ラジオ体操を侮るなかれ。ラジオ体操は1番・2番で構成されるが、2番はアップテンポで変則的なリズムへと変わり難易度が急に上がる。上級生が少し自慢げに体操をし、下級生がそれを見て何となく真似をする様は、日本各地共通の光景だった。
そして子供にとって体操は二の次、1番のメインは毎日ラジオ体操に行くことでラジオ体操カードに押してもらえるハンコだ。ハンコを押して貰えることがなぜあんなに楽しみだったのか?皆勤賞の誇らしさ、皆勤賞で貰えるお菓子、そんな小さなインセンティブになぜ心動かされていたのか?今では理解できなくなった自分を大人になってしまったと感じる。
朝一番で友達と集まるワクワク感、夏の朝日を浴びる清々しさ、家に帰ってから食べる朝食の美味しさ、そんなことを全部ひっくるめて、眠いも面倒も思い出のスパイスになっていたのだと思う。
ところでこのラジオ体操、本気でやると25~30kcalほどの消費カロリーとなり、うっすら汗をかくほどの全身運動で健康にも良いとされている。日本旅行中に美味しい食事、お酒を嗜みすぎたあなたは、心身リセットとしてラジオ体操をしてみるのも良いかもしれない。もちろん体調に合わせて無理のない程度に。